徒然理系日記

日々の備忘録と日記

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23卒理系院生の就活体験記

はじめまして!

 

最近就職活動がひと段落したのですが、数か月の活動期間中にたくさん悩み、考え抜いた末自分の進路を決断しました。

 

理系院生の就活情報が少ないことから不安を抱えている学部生やM1の方の力になれたらと思い、自分の備忘録も兼ねて体験談を発信しようと思います。また、よく「就活は一人でやっちゃダメ!」と言いますが、私は完全ぼっちで就活をして、結果的にそれでよかったと思っているので、ぼっちで不安な方にも読んでいただけたらと思います。私は博士課程進学とも迷いながら、自分と同じ専攻出身の学生とは少し異なる進路選択をしたので、そこに関してもお話できたらと考えています。

 

はじめに

自己紹介

・理系大学院生(女)

・化学専攻

・大学は旧帝大ランク

・学部時代の成績は色々あっていまいちだが、研究の楽しさを知り、研究室配属以降は割と熱心に研究をした

・研究自体は実験系だが、趣味でプログラミングをかじっている

 

就職活動の背景

私は就活を進めながらも博士課程進学と民間就職で迷っていました。また、自分の意志としては「研究が好きなので続けていきたい」という気持ちと「なるべく転居を伴う転勤はしたくない、実家のある関東に住みたい」という気持ちがありました。

 

そこで、「研究職または、新しいことに積極的に挑戦できる環境のある理系職」かつ「関東圏での勤務が可能で転勤がない、もしくは勤務地の希望が通る」ことを条件に企業を探しました。

 

では、時系列に沿った就職活動の流れとその時考えていたことについて書いていきます。

 

就職活動の流れ

~M1秋(9月ごろ)

実はこの時までは、博士課程進学をするという気持ちが固まっていたため、ほとんど就活にはノータッチでした。同じリクルートスーツを着て、嘘をつきまくるイベントは気持ち悪いしインターンに行かないと不利になるのも何もかもが嫌!という気持ちでした。

 

M1 10月~12月

博士課程進学を決めていた気持ちが揺らぎ始めたのがこの頃でした。ちょうど大学院での研究でも少し辛いことがあり、「自分が博士課程でやっていけるのか」という不安が生まれてきたことと既に社会に出ている同級生や先輩が結婚し始めているのを見て、「博士課程を出た段階ではライフイベントがかなりシビアになるのではないか」と思い始めたことが原因でした。

そこで、ちょうど冬インターンの応募が始まる季節だったので、冬インターンに向けた準備を始めました。この時はまだ志望業界が定まっておらず、専門である化学を生かすことのできる業界だけを見ていました。

 

M1 1月~2月

秋に応募していた書類がいくつか通過したことと、逆オファー型就活サイトで声をかけていただいたことから、何社かのインターンに参加しました。ここで、私は「専門である化学を生かして最先端の研究ができる規模の大きい企業はたいてい全国転勤前提で、僻地勤務も多い」ということに絶望することとなります。ある程度の希望は聞いてもらえるのかなと軽く考えていましたが、やはり大きな会社となるとそうもいかず、勤務地に限らず職種すらも「配属ガチャ」で決まってしまうということだけが分かりました。博士課程進学を迷う理由に「ライフイベントが実現できないかも」という恐れがありましたが、転勤が多いと結局ライフイベントの実現は困難になるように思えたので、どうしても頻繁な全国転勤や僻地勤務の可能性がある企業だけは嫌でした。(結婚か退職かという選択も単身赴任も嫌でした)

余談ですが、大学院ではかなり研究ができた学生が工場で化合物を混ぜるだけの部署に配属され、結局はコンサルに転職してしまったという話も聞き、「絶対に配属ガチャ僻地勤務ありのJTC(Japanese Traditional Company)だけは行かん」と強く誓いました。

 

M1 3月

インターンの経験を踏まえ、専門である化学を直接生かせる仕事(化学メーカー)に就くという方向性を変えることにしました。また、自分が好きなのは「化学」というより未知の現象について調べ、考察する「研究活動」であるということに気づいたことも理由の一つでした。そこで、化学系技術職という縛りをやめて、以下の条件に当てはまる企業を調べあげた上でエントリーしました。

 

・裁量を持って自主的に仕事ができる職(できれば研究職だが、開発職でも可)

・採用段階である程度配属先に予想がつくこと(「技術職一括採用」のような形は避ける)

・勤務の可能性がある事業所が全て関東圏にあること、もしくは勤務地の希望が確実に通ること

 

上記の条件を満たす企業となると、IT系もしくは一部電機系メーカーが残りました。幸いプログラミングを少しかじっていたので、そこをアピールしつつIT系をメインに志望することとしました。また、電機系メーカーは化学を生かせそうなところもあったので、まだ化学を生かす可能性も捨てませんでした。

 

自分の場合大企業に行きたいという気持ちもあまり強くなかったので、比較的小さめの企業や大企業の子会社まで視野に入れてエントリーしていました。周りは大企業ばかり見ていたようで、「理系である程度学歴あるのに大手じゃないの!?」「専攻生かさないの!?」と思われるのは少し怖かったので、ぼっち就活で良かったかもしれません。

 

また、この頃可能であればできるだけOB訪問やリクルータ訪問を行い、気になる点に関する質問やES添削や面接対策をお願いしました。

 

余談ですが、私はダサい就活生ルックで嘘を並べたてるのが本当に嫌だったので、採用活動が柔軟な企業を選ぶことが多かったです。

 

M2 4月

3月にエントリーした企業から少しずつ書類選考の結果が返ってきて、面接が始まりました。この段階では全落ちした場合に備えてエントリー先の候補企業を絞ったりもしていました。この頃も引き続きOB訪問を行っていました。

 

M2 5月

中旬に志望度が高めの企業2社の面接を受け、合格をいただいたので、就活を終えました。いくつか内定があったため悩みましたが、最終的には情報系の研究開発職に決めました。

 

まとめ

こんな様子で8か月近く就活を行っていましたが、納得する形で終わることができたと思います。未だに博士課程に対する気持ちはありますが、社会人になって情報系の仕事をすることになったので、そちらの分野でいつか博士号取得を目指しても良いと考えています。女性である以上、ライフイベントに左右されてしまうことは多いと思いますが、ポジティブに考えると男性以上に柔軟なキャリア形成が可能であるとも思うので、これからも前向きにやりたいことを考え続けていきたいと思っています!

 

これから就活に臨む人へ

理系だとどうしても専門を生かした技術職に絞って進路を考える人が多いと思います。実際同期や先輩と違う進路を選ぶことには不安もあると思いますし、場合によっては周りの人よりも就活に時間がかかってしまうかもしれません。やりたい仕事なんて言われても思いつかず、とりあえず専門を直接生かすことを考える人も多いとは思いますが、個人的には「やりたい仕事」という観点以外にも「譲れない条件」「嫌な条件」を考えた上で幅広い視点を持って企業選びをすると良いと思います。自分の人生の分岐路の一つになるので、苦しいとは思いますが、応援しています!