徒然理系日記

日々の備忘録と日記

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IQテスト(WAIS-Ⅳ)を受けてきた話

はじめに

タイトル通りですが、WAIS-Ⅳという知能検査を受けてきました。なかなか面白い体験だったので、記録に残しておこうと思います。

 

 

WAIS-Ⅳとは

WAIS-Ⅳは「ウェクスラー式知能検査」と呼ばれている検査で、世界各国で使われている標準的な知能検査です(子供向けはWISC-Ⅳという名称)。臨床心理士と1対1で行う試験で、現在は発達障害の傾向を調べるため」「自分の能力の凹凸を知るため」といった目的で行われることが多いようです。このテストを受けて分かるのは、以下の4項目のIQ値です。

  • 言語理解指標
  • 知覚推理指標
  • ワーキングメモリー指標
  • 処理速度指標

テストそのものに加え、普段の生活や考え方に関するヒアリングも行われるので、総合的な試験結果から日常生活のヒント・アドバイスも提示していただけます。3万円前後と決して安くはないお値段の試験ではありますが、受ける価値は十分にあると思います。

 

具体的な試験内容など、もっと詳しく知りたい方はこちらを参考にどうぞ。

osakamental.com

 

試験を受けたモチベーション

「学校でIQテストを受けさせられ数値が良くても悪くても呼び出される」という昭和時代のエピソードをちょいちょい耳に挟むものの、平成生まれの私はIQテストを受ける機会がなかったため、なんとなく受けてみたいな~と思っていましたが、本格的な受験のきっかけになったのは、発達障害の一種であるASDの診断を受けたことでした。発達障害の人は、定型発達の人と比較すると能力に凹凸があると言われているので、今後の仕事や生活のために自分の得意不得意を知っておいた方が良いかもしれないと考えたのです。あとは単純に自分のIQ値を知りたかったというのもあります。

 

試験当日

試験は午前10時からで夜型の私にはなかなかきついものがありましたが、カフェインを投入して開催場所であるメンタルクリニックへ向かいました。

 

試験時間はおおむね2時間ほどで、知覚処理っぽい問題や言語処理っぽい問題など様々なジャンルの問題が次から次へと出されました。同じジャンルの問題が連続するのではなく、まばらに出題されるスタイルだったため、頭の切り替えが少し大変でした。

 

試験の最後には日常生活や趣味、考え方のヒアリングが行われました。心理士さんがなんとも珍しいものを見たような雰囲気で相槌を打つので、そんなに変な点数をたたき出してしまったのかと少し不安になりました(実際変な点だったのですが…笑)。

 

試験結果

結果が出るのは受験から約一か月後でした。結果は以下のグラフの通り。

 

 

病院から渡していただいた報告書には、上記IQ値のほかこの特性を踏まえた助言や生活のヒントが書かれていました。さすが臨床心理士さん、かなり的を得た分析をしてくれていました。

 

結果から感じたことと考察

上記のグラフから分かる通り、私の知能にはかなり凸凹があるようです。各項目間でのIQの差が大きいと発達障害の傾向が強いようで、私の場合ASDの診断に対する納得感が強くなりました(このグラフが凸凹であれば必ず発達障害というわけではありません)。

 

また、今まで感じていた困りごとや、他人と違うと感じていた点は、この能力の偏りに起因していると感じました。

 

例えば、「頭では分かっているのに、言葉や図表で表現できない」ということが多々あったのですが、WAIS受験以前は理解力が乏しいがゆえに起きている現象だと捉えていました。しかし、おそらく「処理は終わっているが、それに対して言葉や図を当てはめるのが追い付いていない(=処理速度に言語処理や知覚推理が負けている」状態になっていたと推測できます。

 

更に、相対的にワーキングメモリーが低いことも日常に支障をきたしている時があるようです。私の頭は「高性能なCPUを積んでいるのに、メモリが全然ないPC」といった感じのようです。報告書には、メモを取る習慣をつくると良いとのアドバイスが書かれていました。外付けハードディスクですね。

 

最後に

私はWAIS-Ⅳを受けて、とても満足しています。というのも、今まで言語化することのできなかった困りごとや自分の能力の個性が定量的な指標をもって可視化されることに非常に納得感を感じているからです。今後の仕事や日常生活に役立てるために受験をしたと述べましたが、事実これからの人生において、様々な判断をする際の指標に使うことができそうであると感じています。

 

運動や勉強の得意不得意は目に見えて分かりやすいですが、もっと根本的な能力は目に見えないため、普通に生活しているだけでは案外自覚できないように思います。しかし、このWAIS-Ⅳはそんな「無自覚な潜在能力」を明らかにしてくれるため、発達障害やその疑いを持っている方だけでなく、万人に効果的な自己分析ツールの一つであると思います。自己理解を深めたい方はぜひ受験を検討してみてください!