徒然理系日記

日々の備忘録と日記

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大学院生の金策〜おすすめアルバイトと節約法〜

はじめに

「日本の大学院生はお金がない!」というのはよく聞きますが、例にもれず理系院生の私も第一種奨学金だけでは足りず、常に金欠でした。研究はしっかりとやりつつもお金を得る方法を色々と実践したので、記録に残しておこうと思います。「好きなものも買いたいし、食べたい。でも、研究はサボりたくない…」という方の参考になればと思います。

 

何故大学院生はお金がないのか?

本題に入る前に、「大学院生金欠問題」の背景について整理しておきます。

背景① 飲食店やコンビニ、塾講師と言った大学生御用達アルバイトができない

学部時代はアルバイトをしている人が多いですよね。私自身もアパレルの販売員と塾講師の掛け持ちをしていて、そのお陰である程度余裕のある暮らしをできていました。しかし、大学院生は基本的に時間がありませんコアタイムという概念がない研究室もあるかと思いますが、基本的にお店のようなサービス業の営業時間は研究室にいなければならないので、少なくとも平日はこのようなアルバイトができなくなってしまうことが多いです。

 

背景② 食費がかさむ

一人暮らしの方なら、食費の節約のために自炊をしてきたという人も多いかと思います。実家暮らしの方でも、家に帰ってご飯を食べられる人も多いでしょう。しかし、研究室に入ると10時間以上研究室にいることも多くなり、食材の調達や自炊の時間がとりにくくなってしまいます。研究室を出るころには近くのスーパーは閉店している…なんてことも。実家暮らしであっても、家に帰る時間が遅すぎて、それまで食事を我慢するのは難しい人も多いと思います。そのため、日々の食事はコンビニや生協、外食が多くなっていきます。なるべく安く済ませる努力はしても、どうしてもお金がかかってしまいます。

 

背景③ 実家からの支援が減る

これは個人差があるかもしれませんが、大学院生ってあまり知名度がないというか、「もう働く年齢なんだし…」「大学生の延長でしょ」と思われがちな側面があります。一部の方は学部の時よりも実家からの支援額が減ってしまうということもあるようです。

 

このような背景を踏まえた上で、自分なりに編み出した金策を紹介していこうと思います。研究室の忙しさにも種類があるので、あくまで参考です。

 

大学院生向け金策4選

金策① 在宅の教育系アルバイト

正直、私はかなりこれに助けられました。良いところは「完全在宅でできる」「納期の中であれば働くタイミングを選べるので、土日や深夜の稼働もできる」「精度が高いとよりハイレベルな仕事の紹介をしてもらえる」ところです。採点や添削が主ですが、記述問題の採点などは頭を使うことも多いので、ある程度楽しみながらできる仕事だと思います。唯一の欠点は「たまに全然仕事がない月がある」ことです。

 

この教育アルバイトに登録できるおすすめサイトは大学生向け教育アルバイトサイト「t-news」です。年中ではありませんが、在宅アルバイトの求人が載っていることが多いので、興味があればチェックしてみてください。

www.tnews.jp

 

金策② 研究室で雇ってもらう

これはある程度お金のある研究室しかできないかもしれませんが、研究室で研究補佐(RA)として雇ってもらえる可能性があります。この方法なら、研究室にいて自分の研究を進めながら業務ができてしまいます。さりげなく指導教員に「お金に困っている」風を出してみると紹介してもらえるかもしれません(指導教員との関係性や人柄にもよりますが)。学部生でこれから研究室配属になるという方は、研究室選びの際にそういった制度があるかどうか先輩たちに聞いてみるのも良いと思います。

 

金策③ 大学生協のアルバイト求人をチェック

おそらく多くの大学では、大学生協がアルバイトの求人を出しています。長期のものもありますが、短期や単発の物も多く、通常の求人サイトにはない、実験のお手伝い(被験者など)の募集や学内で行われる試験の監督の募集などがあります。大学内でできるものや、休日限定でできるものを見つけるのに適しているため、定期的にチェックしてみると良いでしょう。通常の求人サイトで応募するより、採用プロセスが楽なものも多いです。

 

金策④ 食事はサブスクに頼ってみる

これは「お金を稼ぐ」というよりも、「お金を節約する」という内容ですが、お弁当や食材のサブスクを頼んでみるというのも一つの手です。食事量にもよるかもしれませんが、外食をしてしまうよりは費用が安く済むことが多いですし、大学に持って行って食べるというのができるので、「買いに行く」「食べに行く」プロセスを省くことができ、効率よく時間を使えるような気がしています。

私は「HELLO, FRESH」というサービスを使用していたのですが、2022年度末でサービス終了とのことなので、替わりのサービスを見つけようと思います。。。(良い物が見つかったらシェアします)

 

まとめ

研究をサボることなく、ある程度のお金を得る方法について自分なりに考え、実践してきたものをまとめてみました。「お金がないと心も豊かにならないし、研究だってうまくいかないよー」という思いでいっぱいです。これ以外にも良い方法があればコメント等いただけると嬉しいです。

日焼け止め臭の原因に関する化学的根拠

はじめに

先日「日焼け止め嫌いが選んだ臭くない日焼け止め」に関する記事を投稿しました。

 

hexalog.hatenablog.com

 

もちろん臭くない日焼け止めを見つけることができて満足と言えば満足なのですが、これでも化学系の大学院生の端くれですので、臭いのメカニズムを知らずにはいられませんでした。(メカニズムを知ることは商品選びにも貢献しています)

 

というわけで、日焼け止めを構成する成分と臭いの原因について書き連ねていきます。

 

 

日焼け止めの成分

まず、日焼け止めの成分は「紫外線散乱剤」「紫外線吸収剤」の二種類に分けられます。どちらも入っているパターンもあれば、どちらか一方の場合もあります。それぞれの特徴は以下の通りです。

 

紫外線吸収剤

主に有機化合物です。紫外領域に吸収波長があり、紫外線を吸収して励起状態になった後、蛍光を示さず熱エネルギーを放出(無放射遷移)しながら基底状態に戻る性質のある化合物を使用しています。

紫外線吸収の模式図

実はこの紫外線吸収剤に適切な化合物の条件は「紫外領域に吸収波長があること」だけではありません。もう一つの重要なファクターは「項間交差を起こさない(励起一重項状態から励起三重項状態にならない)」ことです。その理由は励起一重項状態の寿命に対し、励起三重項状態の寿命が長いことに起因します。寿命が長いということは基底状態に戻る前に別の化合物と反応する可能性が高まってしまうのです。具体的には、励起三重項状態の成分が基底状態で三重項である酸素原子と反応することで、酸化力の高い一重項酸素が発生し、様々な化学反応を引き起こすことで人体に害を与える可能性があります。

 

紫外線吸収剤にて重要な役割を果たす励起一重項状態の有機物は寿命が短く、項間交差も起こしにくいため、皮脂などと反応する可能性は低く、これが臭いの原因になっている可能性はほぼないと思われます。

 

紫外線散乱剤

主に無機化合物。酸化チタン、酸化亜鉛が主流ですが、酸化セリウムなども効果が確認されています。こちらは物理的に紫外線を散乱する作用があります。

紫外線散乱の模式図

臭いの原因は何か?

臭いの原因は紫外線散乱剤の酸化チタンです。酸化チタンには、紫外線を散乱させる作用に加え、紫外線によって光触媒となり、共存分子を酸化還元する性質があります。日焼け止め中の酸化チタンにおいては、主に還元剤としての作用が問題となります。酸化チタンが空気中の酸素を還元することで強力な酸化剤である酸素ラジカル(スーパーオキサイド)を発生させてしまい、続いて皮脂などが酸化されます。この酸化された皮脂があの独特な「日焼け止め臭」の原因なのです。

 

日焼け止め臭発生のメカニズム

「臭くない日焼け止め3選」の記事にも書きましたが、酸化チタンが含まれているからといって必ずしも日焼け止め臭がするわけではありません。というのも、酸化チタンの微粒子化技術が発展し、この光触媒作用を抑制することができているものもあるからです。(紹介したロート製薬の「スキンアクア」シリーズはまさにこの例)

 

臭い発生のメカニズムから考える日焼け止め選びの指針

上述の通り、酸化チタンが含まれているからと言って必ずしも臭い日焼け止めであるとは限りません。ただ、酸化チタンが含まれているものを避ければこの臭いがしないのは確実なので、怖い方は成分表示をしっかり見て購入するのが良いと思います。しかし、どうやら日本人は紫外線吸収剤を避け、紫外線散乱剤を選ぶ傾向にあるようなので、世の中に出回っている日焼け止めで酸化チタンが含まれていないものを探すのは少し難しいかもしれません…(紫外線吸収剤不使用をうたう製品は多いのに対し、紫外線散乱剤不使用の製品はあまり見かけませんよね)

 

私自身、しばらくはブログに書いた商品を使って生きていこうと思うのですが、商品がリニューアルしたり廃番になったりしてしまう危険性もあるほか、下地やファンデーションにも同じことが言えると思うので、この「臭い原理」を念頭に置いた化粧品選びを継続しようと思います。

 

Appendix

紫外線散乱剤として使われる酸化チタンや酸化亜鉛は可視光を散乱するため、白いです(多くの日焼け止めが白っぽい理由です)。そのため、肌を色白に見せてくれる効果はあるのですが、「美白化粧品」とうたっている商品にもこの酸化亜鉛や酸化チタンが多く含まれていることがあります。実際の肌の色が白くなっているのではなく、これらの物質を塗布することによって一時的に白く見えているだけ…ということも多いので、美白化粧品を選ぶときも気を付けてみると良いかもしれません。

どう頑張っても日焼け止め臭を受け入れられない私が使えた臭くない日焼け止め3選

はじめに

日焼け止めを塗って少し時間が経つと何とも形容しがたい独特な臭いがしますよね。私は子供の頃からあの臭いに耐えられず、日焼け止め臭がする人は嫌だし、自分が塗るのはもってのほか…!という状態でした。夏は日中外に出ない(※移動中を除く)という対策を取ってきましたが、長期で旅行に行くことになってしまい、日焼け止めを塗らないわけにはいかないという八方ふさがりの状態になり死に物狂いで「臭くない日焼け止め」を探したので共有したいと思います。

 

「日焼け止めの匂いが苦手だけど、日焼けしたくない」「臭いかもしれない日焼け止めを試すのが怖い」方はぜひ目を通していただければ…と思います。

 

 

簡潔に言ってしまうと、おそらくあの臭いの原因を作っている成分は紫外線散乱剤である「酸化チタン」です。

(臭いのメカニズムは以下の別記事に示すので、興味のある方はそちらもどうぞ)

 

hexalog.hatenablog.com

 

ただ、酸化チタンが入っているものが全部臭いというわけではなく、粒子の大きさや処理の仕方によって臭くないものもあります。こればかりは試してみないと分からないのですが、身体を張って確かめ臭くないものを選出しました。

 

臭くない日焼け止め①

ロート製薬「スキンアクア」シリーズ

「日焼け止め臭がしない製品の開発」を行った結果生まれた商品です。酸化チタンを使っているのは間違いないし、半信半疑でしたが、本当に臭わず、感動。いくつか種類がありますが、SPF値が高いものでも臭くならないです。価格も高くないので、用途に合わせて種類を選ぶと良いでしょう。

特におすすめの一品はトーンアップと高SPF値の両方が叶うこちら。↓


 

 

↓「臭くない日焼け止め」開発の話

jp.rohto.com

 

臭くない日焼け止め②

Addiction SKIN PROTECTOR

メイクアップ商品でよくお世話になっているAddictionにて、店員さんが「こちらの商品は全然臭いがしないんですよ~」と言っていて、半信半疑で購入したのですが、結果として大当たりでした。まっっったく臭いが気になりません。重たい感じやテカる感じもないので、ファンデーションのプライマー(化粧下地)としても使えます。

www.addiction-beauty.com


 

 

臭くない日焼け止め③

ニベアUVウォータージェル

あの臭いのもととなる紫外線散乱剤(酸化チタン)が入っていないので、臭くありません。ただ、ニベア日焼け止めの別ラインナップである「ニベアUVディーププロテクト&ケアエッセンス」「ニベアUVプロテクトウォーターミルクマイルドSPF50+」の方は普通に臭うので注意が必要です…青いパッケージの「ウォータージェル」の方を使いましょう。詰め替え用もあるので便利です!

www.nivea.co.jp


 

 

まとめ

以上3点が個人的臭くない日焼け止めです。我ながら嗅覚はかなり敏感なほうだと自負しているので、日焼け止めの臭いが本当に苦手な方でも大丈夫な製品ばかりだと思います。日焼け止め探しに苦労されている方の参考になりましたら幸いです。

 

 

Pythonを使ったスクレイピングでWebページの情報を取得しようとすると処理が終わらない問題について ~動的サイトのスクレイピング~

はじめに

Pythonによるスクレイピングを行おうとしていた時に生じた問題とその解決策について、メモも兼ねて記録を残しておこうと思います。結論から言うと、生じた問題は「『動的サイト』をスクレイピングするときは『静的サイト』をスクレイピングするときとは同じ方法ではうまくいかない」ことに起因していました。しかし、この原因を発見するのにもかなり苦労してしまったので、同じようなトラブルに見舞われている方がいれば力になれるかと思い、記事にします。

やろうとしていたこと

Seleniumを使ってWebページへのアクセス・操作をしたのちにBeautifulSoupとRequestsを使ってページのHTMLから情報を取得しようと思っていました。実際Pythonを使ったスクレイピングをされたことのある方はイメージがつくかもしれませんが、以下のようなコードでこれを実行しました。

〜
path = "C:\\Users\\hogehoge\\chromedriver.exe"                                  
driver = webdriver.Chrome(executable_path=path)            
current_url = driver.current_url                                             
res = requests.get(current_url)                                 
soup = BeautifulSoup(res.text, "html.parser")                          

# この後にHTML中でほしい情報を取得するようなコードが続きます
〜

生じた問題と解決までの軌跡

上記のコードは複数のサイトで問題なく動いていたものの、あるサイトで試そうとしたところ「プログラムがタイムアウトする」「処理が終わらない」といったトラブルに見舞われてしまいました。そこで、一つ一つ問題を切り分け、原因を探っていくことにしました。

Step1

あるサイトで上記のコードを試そうとしたところ、どう頑張ってもSeleniumタイムアウトしてしまった。
→どうやらSeleniumがURL取得できていない模様。

Step2

SeleniumでのURL取得に問題があると考え、Seleniumでのページ遷移・URL取得を行わずに直接URLを指定してみた。(下記コード)

〜
url = "http://www.fugafuga"              
res = requests.get(url)                                 
soup = BeautifulSoup(res.text, "html.parser")       
〜

→これでもまた処理が終わる気配なし。

Step3

同じようなトラブルに見舞われている人がいないかと思い、インターネットに頼ることに。そこで見つけた下記のサイトを参考に、requests-htmlというライブラリを検討。

参考にしたサイト

gammasoft.jp
yuki.world

書いたコードはこちら。

〜
session = HTMLSession()
r = session.get(url)
r.html.render()  
〜

→これもまた、処理が終わらず…
ただ、先ほどのサイトから、スクレイピング対象としているサイトが「ダウンロードしたHTMLファイル」と「ブラウザに表示されるHTML」が異なる「動的サイト」である可能性に思い当たりました。

Step4

URL経由でダウンロードしたHTMLファイルとブラウザに表示されるHTMLが異なっているのであれば、ブラウザから直接HTMLのソースを持ってこれれば良いのでは!?ということに気づき、コードを以下のように改変。

〜
source = driver.page_source                                            
soup = BeautifulSoup(source, "html.parser")                
〜

→ 成功!

まとめ

アクセスした端末や時間帯で内容が変わる「動的サイト」に対してスクレイピングを行うときはURLからHTMLを取得するのではなく、ブラウザに表示されるHTMLのソースを直接取得する方法が有効であることが分かりました。もし、「URL取得の段階で処理が終わらない」「URL取得による収集データと実際にWebページで表示されている内容が違う」などのトラブルに遭った際は、対象としているサイトが動的サイトである可能性があるため、是非こちらの方法を試してみてください。

正直requests-htmlで上手くいかなかった理由はあまりよく分からないのですが、Seleniumで直接HTMLソースを見に行くこちらの方が直観的に分かりやすいような気がしました。

補足

動的サイトと静的サイトの違いについて分かりやすくまとまっているサイト
pikawaka.com
お恥ずかしながら私は今回の問題に直面するまで動的サイトと静的サイトの名前すら聞いたことがない状態でした…

理系大学院生のぼっち就活ノウハウ

こんにちは!

前回の記事では理系大学院生である私の就活についてお話しましたが、今回は私が就活を進めるにあたって実践してよかったことをお伝えしようと思います。「就活は一人でやっちゃダメ」「友達と一緒に頑張ろう」という声をよく耳にしますが、私は社員さんへのOB訪問以外完全ぼっちで就活を乗り切りました。正直、ぼっち就活でも何の問題もありませんでした。しかし、ぼっちで情報を得るのは中々大変です。そこで、ぼっちの私が集めた就活情報を共有することで、一人で不安を抱えている方や理系の就活についての情報が欲しい方に読んでいただけたら幸いです。

 

また、効率よく、かつ納得のいく就活を進めるための最短ルートに必要なコンテンツを掲載したつもりなので「就活が嫌」という方にこそ読んでいただきたいと思っています。

 

↓前回の記事

hexalog.hatenablog.com

 

 

目次

はじめに

「これから就職活動を始める」という方は就活のステップ自体複雑でよく分からないと思いますが、基本的にはインターンも本選考も「興味のある企業にエントリー→適性検査→ESや面接による選考」というシンプルな流れで進みます。この記事では、この流れをこなすにあたって役に立つコンテンツを紹介するので、自分の就活ステップに応じて参考にしてみてください。

自己紹介

・理系大学院生(女)

・化学専攻

・就活の軸は「裁量を持って自主的に仕事ができる職(できれば研究職だが、開発職でも可)」「関東圏での勤務が可能、関東圏外への転勤なし」

 

自己分析・業界研究

よく就活を始める時に自分の性格ややりたいことを明確にするために「自己分析」をしましょう!と言いますが、「やりたい仕事なんてないし、働きたいとさえ思わない」という人も多いように思います。就活生はあくまで学生で、世の中にある仕事について詳しく知っているわけではないので、やりたい仕事がないというのはおかしなことではないと思います。なので、「自己分析」のファーストステップは「やりたいこと」ではなく、「やりたくないこと・嫌なこと」を考えるのが良いと思っています。例えば「人と話すのが苦手だから、直接お客様と関わる仕事は避けたいな…」「地元に帰りたいから転勤は嫌だな…」のように漠然としたもので良いと思います。その上で、「どういう業界・仕事があるのか」を知る業界研究や仕事研究に臨むのが良いでしょう。

 

この段階で使えるのが下記サイトです。

マイナビリクナビ

誰もが知る代表的な就活サイト。自分の学部の卒業生がエントリーした企業のランキングを見たり、各業界の有名な企業を大まかにサーチしたりするのに活用できます。また、ここからエントリーすると、各企業のマイページ登録の際の入力事項が減って便利です。インターンシップのエントリーにも使いやすいです。

job.mynavi.jp

job.rikunabi.com

 

Instagram

意外にもインスタが活躍します。就活情報をまとめているアカウントがいくつかあるので、参考にしてみると良いでしょう。「ホワイトな企業」「おすすめの中小企業」「採用フローが少し変わっている企業」など、普通の就活サイトとは違った切り口の情報を得ることができます。

 

LabBase(※理系限定)

こちらは理系限定になってしまいますが、いわゆる逆オファー型就活サイトです。ガクチカや自己PRではなく、自分の研究や専門性についてプロフィール登録を行います。そのプロフィールを見て企業からオファーが届くので、基本的にはオファーが来た企業には理系人材として歓迎されていることが多いと思われます。(こういった企業では、学部学科が理由で落とされる可能性は低くなると思います)

他の逆オファー型就活サイトは比較的規模の小さい企業から声がかかることが多いですが、このサイトでは大手企業からインターンや説明会の案内が来ることも魅力的です。

compass.labbase.jp

 

アカリク(※理系限定)

こちらも理系限定の逆オファー型就活サイトです。LabBaseと似ていますが、こちらはどちらかというと大手子会社やベンチャー企業からのスカウトが多く届く印象です。なので、理系人材を欲している規模の小さい企業を探すのにはとても良いサイトだと思います。理系院卒の方は大手に目が向きやすいと言われますが、大手企業に絞るのではなく、色々な企業を知ることが大切だと思うので、是非活用してみてください。また、エージェントのサービスもあるので、不安な方は一度相談しても良いと思います。自分自身、こちらのサイト経由で第一志望群に入る企業を見つけることができました。

acaric.jp

 

色々な業界・職種・企業があることを知る中でやりたいことも浮かび上がってくる可能性もありますし、やりたくないことから消去法で探すこともできると思います。特に理系の方は自分の専攻や先輩たちの内定先に縛られず、幅広い視野を持ってみることをおすすめします。

 

早い段階で就活準備を始めている方はインターンシップに参加されると思いますが、インターンでは興味のある業界・職種に幅広くエントリーしてみるのをおすすめします。行ってみると「意外とここは嫌だったな…」とか「ここはいいかも」というのが感じられるので、早期選考を狙うだけでなく、自分のための就職先スクリーニングだと思うと良い気がします。

 

ES・面接対策

まずはインターネットでESの書き方や面接の質問集などを調べて対策するのが良いとは思いますが、やはり客観的な視点から見てもらうことが大切です。よくES添削や面接練習をしてもらうと良いとの話を聞きますが、ぼっちにはこれが一番の難関になると思います。そこでおすすめなのが、企業のOB・OGもしくはリクルーターの方にES添削や面接練習をお願いすることです。企業の内部の方であれば、その企業が求めている人物像についてもお話してくれるので、先輩や同期に相談するよりも効果的であるように思います。企業が公式にリクルータやOB・OGの窓口を公開している場合はそこに連絡を取ってみると良いでしょう。また、そういったシステムのない企業は大学宛てにOB・OGの紹介が来ていないか確認したり、以下のサイトでOB・OGを探したりするのがおすすめです。

br-campus.jp

 

適性検査対策

自宅で受験するオンライン型の「Webテスト」と会場に出向く「テストセンター」があります。特にWebテストでは、一部の監督型のものを除くとオンラインで監督者がいないため、Twitterやフリマアプリでは「解答集」なんてものが出回っていたりもします。「カンニングなどの不正行為を禁じる」と明記されたWebテストで不正を働くのが嫌だったので、私はこういった解答集は使用しませんでした。聞くところによると、販売者である就活生が自分で作成しているもののため、誤りも含まれているとのことですし、個人的には使用をおすすめしません。「友達と協力して解く」という話もよく耳にしますが、こちらもぼっちだと難しいですよね…。私自身が完全ぼっちで対策する中でおすすめだったものを紹介します。

 

キャリタス就活のWebテスト模試機能「キャリタス模試」

有名な「SPI」「玉手箱」形式と一般常識問題を解くことができます。マイナビリクナビと違い、テストの種類別に模擬試験を受験することができ、自分の順位や点数も確認できるので、各テストごとの実力を把握することができます。Webサイトで対策するのであればこちらが一番だと思いました。

↓キャリタス就活のサイトトップはこちら

job.career-tasu.jp

↓テスト会場にそのまま飛ぶにはこちら

https://job.career-tasu.jp/2024/guide/exam/exam/

 

参考書(SPI)

SPIにはオンラインで受ける「Webテスティング」と会場に出向く「テストセンター」があり、類似した問題が出題されるものの、少し出題範囲や傾向が異なっているので注意です。Webテスティング・テストセンター共に以下の二冊があれば基本的に問題はないかと思います。こういった対策本は毎年20○○年度版が出るのですが、内容に大きな差はないため、2~3年前のものをフリマアプリで買ってしまっても良いと思います。

この対策本たち、意外と高いので私はフリマアプリで以下の3冊を購入し、就活終了後すぐに売却しました。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

2024最新版 史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集 [ オフィス海 ]
価格:1430円(税込、送料無料) (2023/2/13時点)


 


 

 

Webテスティング形式に不安のある方はこちらもやっておいても良いかもしれません。


 

 

参考書(玉手箱)

玉手箱はSPIに比べて時間がシビアで難易度も高いですが、問題のジャンルが少ないため対策はしやすいです。キャリタス模試とこちらの参考書で、解答スピードと精度の向上を目指すと良いでしょう。


 

 

まとめ

ここまで就活に関するノウハウを書いてきましたが、私は就活のシステム自体好きではないです。ですが、自分の人生の分岐点として、しっかり考えるには良い機会だと思っています。ぼっちの良いところは周りの意見に惑わされず、自分のしたいことに向かえるところだと思っているので、就活に対する嫌悪感があったとしても、自分の人生についてじっくりと考えてみてほしいと思います。

 

この記事を読んでいる方が効率よく、後悔のない選択ができることを願っています。

23卒理系院生の就活体験記

はじめまして!

 

最近就職活動がひと段落したのですが、数か月の活動期間中にたくさん悩み、考え抜いた末自分の進路を決断しました。

 

理系院生の就活情報が少ないことから不安を抱えている学部生やM1の方の力になれたらと思い、自分の備忘録も兼ねて体験談を発信しようと思います。また、よく「就活は一人でやっちゃダメ!」と言いますが、私は完全ぼっちで就活をして、結果的にそれでよかったと思っているので、ぼっちで不安な方にも読んでいただけたらと思います。私は博士課程進学とも迷いながら、自分と同じ専攻出身の学生とは少し異なる進路選択をしたので、そこに関してもお話できたらと考えています。

 

はじめに

自己紹介

・理系大学院生(女)

・化学専攻

・大学は旧帝大ランク

・学部時代の成績は色々あっていまいちだが、研究の楽しさを知り、研究室配属以降は割と熱心に研究をした

・研究自体は実験系だが、趣味でプログラミングをかじっている

 

就職活動の背景

私は就活を進めながらも博士課程進学と民間就職で迷っていました。また、自分の意志としては「研究が好きなので続けていきたい」という気持ちと「なるべく転居を伴う転勤はしたくない、実家のある関東に住みたい」という気持ちがありました。

 

そこで、「研究職または、新しいことに積極的に挑戦できる環境のある理系職」かつ「関東圏での勤務が可能で転勤がない、もしくは勤務地の希望が通る」ことを条件に企業を探しました。

 

では、時系列に沿った就職活動の流れとその時考えていたことについて書いていきます。

 

就職活動の流れ

~M1秋(9月ごろ)

実はこの時までは、博士課程進学をするという気持ちが固まっていたため、ほとんど就活にはノータッチでした。同じリクルートスーツを着て、嘘をつきまくるイベントは気持ち悪いしインターンに行かないと不利になるのも何もかもが嫌!という気持ちでした。

 

M1 10月~12月

博士課程進学を決めていた気持ちが揺らぎ始めたのがこの頃でした。ちょうど大学院での研究でも少し辛いことがあり、「自分が博士課程でやっていけるのか」という不安が生まれてきたことと既に社会に出ている同級生や先輩が結婚し始めているのを見て、「博士課程を出た段階ではライフイベントがかなりシビアになるのではないか」と思い始めたことが原因でした。

そこで、ちょうど冬インターンの応募が始まる季節だったので、冬インターンに向けた準備を始めました。この時はまだ志望業界が定まっておらず、専門である化学を生かすことのできる業界だけを見ていました。

 

M1 1月~2月

秋に応募していた書類がいくつか通過したことと、逆オファー型就活サイトで声をかけていただいたことから、何社かのインターンに参加しました。ここで、私は「専門である化学を生かして最先端の研究ができる規模の大きい企業はたいてい全国転勤前提で、僻地勤務も多い」ということに絶望することとなります。ある程度の希望は聞いてもらえるのかなと軽く考えていましたが、やはり大きな会社となるとそうもいかず、勤務地に限らず職種すらも「配属ガチャ」で決まってしまうということだけが分かりました。博士課程進学を迷う理由に「ライフイベントが実現できないかも」という恐れがありましたが、転勤が多いと結局ライフイベントの実現は困難になるように思えたので、どうしても頻繁な全国転勤や僻地勤務の可能性がある企業だけは嫌でした。(結婚か退職かという選択も単身赴任も嫌でした)

余談ですが、大学院ではかなり研究ができた学生が工場で化合物を混ぜるだけの部署に配属され、結局はコンサルに転職してしまったという話も聞き、「絶対に配属ガチャ僻地勤務ありのJTC(Japanese Traditional Company)だけは行かん」と強く誓いました。

 

M1 3月

インターンの経験を踏まえ、専門である化学を直接生かせる仕事(化学メーカー)に就くという方向性を変えることにしました。また、自分が好きなのは「化学」というより未知の現象について調べ、考察する「研究活動」であるということに気づいたことも理由の一つでした。そこで、化学系技術職という縛りをやめて、以下の条件に当てはまる企業を調べあげた上でエントリーしました。

 

・裁量を持って自主的に仕事ができる職(できれば研究職だが、開発職でも可)

・採用段階である程度配属先に予想がつくこと(「技術職一括採用」のような形は避ける)

・勤務の可能性がある事業所が全て関東圏にあること、もしくは勤務地の希望が確実に通ること

 

上記の条件を満たす企業となると、IT系もしくは一部電機系メーカーが残りました。幸いプログラミングを少しかじっていたので、そこをアピールしつつIT系をメインに志望することとしました。また、電機系メーカーは化学を生かせそうなところもあったので、まだ化学を生かす可能性も捨てませんでした。

 

自分の場合大企業に行きたいという気持ちもあまり強くなかったので、比較的小さめの企業や大企業の子会社まで視野に入れてエントリーしていました。周りは大企業ばかり見ていたようで、「理系である程度学歴あるのに大手じゃないの!?」「専攻生かさないの!?」と思われるのは少し怖かったので、ぼっち就活で良かったかもしれません。

 

また、この頃可能であればできるだけOB訪問やリクルータ訪問を行い、気になる点に関する質問やES添削や面接対策をお願いしました。

 

余談ですが、私はダサい就活生ルックで嘘を並べたてるのが本当に嫌だったので、採用活動が柔軟な企業を選ぶことが多かったです。

 

M2 4月

3月にエントリーした企業から少しずつ書類選考の結果が返ってきて、面接が始まりました。この段階では全落ちした場合に備えてエントリー先の候補企業を絞ったりもしていました。この頃も引き続きOB訪問を行っていました。

 

M2 5月

中旬に志望度が高めの企業2社の面接を受け、合格をいただいたので、就活を終えました。いくつか内定があったため悩みましたが、最終的には情報系の研究開発職に決めました。

 

まとめ

こんな様子で8か月近く就活を行っていましたが、納得する形で終わることができたと思います。未だに博士課程に対する気持ちはありますが、社会人になって情報系の仕事をすることになったので、そちらの分野でいつか博士号取得を目指しても良いと考えています。女性である以上、ライフイベントに左右されてしまうことは多いと思いますが、ポジティブに考えると男性以上に柔軟なキャリア形成が可能であるとも思うので、これからも前向きにやりたいことを考え続けていきたいと思っています!

 

これから就活に臨む人へ

理系だとどうしても専門を生かした技術職に絞って進路を考える人が多いと思います。実際同期や先輩と違う進路を選ぶことには不安もあると思いますし、場合によっては周りの人よりも就活に時間がかかってしまうかもしれません。やりたい仕事なんて言われても思いつかず、とりあえず専門を直接生かすことを考える人も多いとは思いますが、個人的には「やりたい仕事」という観点以外にも「譲れない条件」「嫌な条件」を考えた上で幅広い視点を持って企業選びをすると良いと思います。自分の人生の分岐路の一つになるので、苦しいとは思いますが、応援しています!